町指定文化財「邪宗門(じゃしゅうもん)一件(いっけん)口書帳(くちがきちょう)」
更新日:2019年12月26日
大刀洗町には、かつて切支丹禁教時代(きりしたんきんきょうじだい)において隠れてひそかにキリスト教の信仰を守り続けた隠れキリシタンの里がありました。信仰を守るため、そのしきたりは口伝でおこない、行商人など知らない人が来ないよう米しか作らず貧しい暮らしをしていました。
慶応3(1867)年2月26日に長崎大浦天主堂から派遣された潜伏キリシタンにより今村の潜伏キリシタンが発見されました。今村潜伏キリシタンは280年以上もの長い潜伏でほかにも隠れキリシタンがいたのが信じられず、本当なのか長崎に確認に行き、分からなくなった教えやしきたりを長崎にいる宣教師に教えてもらようになりました。それから活発な交流が始まり、教えを学ぶうちに仏壇を置かない家が増えました。
まだ禁教令中であったため、その活発な交流活動や托鉢僧(たくはつそう)からの訴えなどにより隠れた信仰が発覚し、宗教用具などは没収され、その中心となった人たちが捕まり取調べが高橋組大庄屋宅(たかはしぐみおおじょうやたく)で行われました。
「邪宗門一件口書帳」は、このとき取調べた高橋組大庄屋 後藤十郎左衛門(ごとうじゅうろうさえもん)から久留米藩山田新之丞(やまだしんのじょう ) 宛ての写しで今村切支丹の資料としては、禁教令時代の明治元年に作られた確実かつ最古の資料になっています。(禁教令は明治6年に停止されました)
大刀洗町の歴史を知る上で欠くべきことのできない資料です。
その希少価値から平成29年、信徒発見日の2月26日に町指定文化財になりました。
(状態保存のため、常設展示はしていません。)